▼「メルハバ(こんにちは)」―。仕事始めの5日、和歌山県串本町では職員がトルコ語を使ったあいさつの練習をして業務をスタートさせた。日本とトルコ友好の発祥地とされる町ならではの取り組みだ

 ▼串本の沖合で1890年、トルコ軍艦が遭難し、町民が救出活動したことが両国友好のきっかけとされる。今年は遭難125年の追悼式典が予定され、トルコ人の来訪が増えることから、トルコ語によるおもてなしをしようと職員が準備を始めた

 ▼トルコ中央部で長年発掘調査を続けているアナトリア考古学研究所の大村幸弘所長が31日、前橋市内で講演する。中近東文化センター(東京)がカマン・カレホユック遺跡などで進める調査の指揮を執っている

 ▼12年前の夏、取材で訪れ、遠く離れた地で精力的に活動する日本人の存在を知った。首都・アンカラから南東に100キロ、車で2時間ほど走った丘状地に幾層にも掘り下げられた発掘現場があった

 ▼炎天下で日焼けした大村さんは「世界史の舞台でもあり、過去数千年にわたって、どのような民族が居住し、文化を残したのかを調べている。世界史を書き換える可能性を十分に秘めた遺跡」と説明してくれた

 ▼講演では、「なぜ日本がトルコで発掘調査を行うのか」を語る。両国の友好関係を理解する上で貴重な時間となる。再会が待ち遠しい。