▼17年も前の古い話になるが、「21世紀に間に合いました。」というキャッチコピーとともに登場した自動車は、確かに21世紀を間近に控えた世界に新しい時代の幕開けを告げた

 ▼1997年師走に発売されたトヨタ自動車のハイブリッド車(HV)に乗った時の衝撃は今でも忘れられない。当時まだ珍しかったセンターメーターや、現代のスマートフォンのようなディスプレーが車内で目を引いた

 ▼走りだせば、かすかなモーター音だけで静かに加速し、エンジンが時折始動したり休止したりと、自動車というよりも何か生命体に乗っているような気がした。エネルギーを回収する回生ブレーキの感触も新鮮だった

 ▼今では月別の新車登録台数の上位にHVが名を連ね、街中を行き交う乗用車でもHVの割合は高い。未来の自動車と呼ばれた電気自動車(EV)も見かけるようになったが、まだまだ少ないのが現状だ

 ▼トヨタは今月、世界初の燃料電池車(FCV)の販売を始めた。ホンダも来年度中に発売するという。都内には燃料となる水素を供給する商用水素ステーションが開設されインフラ整備も始まった

 ▼間もなく2015年。後に振り返った時、「水素元年」になっているだろうか。FCVは今のHVのような存在に なり得ているのだろうか。街中を走るFCVに遭遇する日が楽しみだ。