▼「一丁目一番地」。政治家がよく口にする言い回しだ。最優先で取り組む課題を強調する場合に使われることが多く、民主党政権時代、鳩山由紀夫元首相が連呼していたのが「地域主権改革」だった

 ▼政権交代後の目玉政策として、地方へ目を向けることを鮮明にしたが、期待する成果が得られないまま失速した。一方、東京一極集中は加速し、地方には衰退の危機感が広がった。アベノミクスによる景気回復の効果も都市部では見られるが地方には波及していないとの指摘が強い

 ▼29日から始まる臨時国会は「地方の再生」に向けた議論が中心となることを期待したい。人口減少対策は地方にとって待ったなしの状況だ。ここで真正面から向き合わなければ、立ちゆかなくなる自治体が出てくるだろう

 ▼「日本創成会議」がまとめた人口流出の試算では、30年間で若い女性が半減し、行政機能が維持できなくなる「消滅可能性都市」に県内は35市町村のうち20市町村が入っている 

 ▼企業の地方移転、若者の起業支援、伝統産業の再生、子育て支援の充実…。地方に人口が流入する仕組みを思い切ってつくれるか

 ▼安倍政権は6月に閣議決定した「骨太方針」で、50年後に1億人程度を維持するという人口目標を初めて掲げた。真の「一丁目一番地」に地方の再生を位置づけて、施策を前に進めてもらいたい。