▼江戸時代などに朝鮮王朝が日本に送った「朝鮮通信使」の関連資料を日韓共同で国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産に登録しようと一昨日、両国の関係者が山口県で初の本格的な会合を開いた

 ▼通信使は将軍の就任祝いなどで来日した300~500人規模の使節団。会合では申請対象を江戸時代の12回の使節団に絞り、2016年の申請、17年の登録を目指すことを決めた

 ▼豊臣秀吉の朝鮮出兵の後の国交回復や日本に拉致された人々の送還が目的だった通信使。互いの誠意と信義に基づく「誠信外交」は江戸後期まで続いた

 ▼もともと一衣帯水の関係にある日韓両国だが、それをあらためて示す展覧会が来月、韓国国立公州博物館で始まる。「東アジア文化交流の宝庫~武寧王陵(ぶねいおうりょう)」で、これに高崎市の観音塚古墳から出土した重要文化財「銅承台付蓋鋺(どううけだいつきがいわん)」が初めて出品される

 ▼公州市にはかつて日本に仏教を伝えたとされる百済の王都が置かれた。その百済を治めた武寧王の墳墓から出土した「銀蓋鋺と銅承台」が観音塚古墳の銅鋺と似ていることから、比較するため出品を依頼された

 ▼共同申請に向けた会合で韓国側関係者は「同じ目的で席に着けたことは、両国の和平にとって幸いだ」と述べた。出土品の比較展示も長い交流の歴史を想起させる意義あるものになりそうだ。