山登りをする人から届く年賀状の写真は当人の記念撮影を除くと大きく3パターンある。多いのは訪れた山頂からの御来光で、荘厳な日の出はもらう側の身も引き締まる。もう一つ、展望が開けた山からとらえる富士山も定番で縁起がいい

 ▼三つ目は、新しい年の西暦と同じ高さの山に登る「西暦標高登山」の写真だ。最近では東京都最高峰の雲取山(2017メートル)が5年前、おととしは武尊山に連なる本県の剣ケ峰山(2020メートル)が人気だった

 ▼名の知れた山とは限らず、次はどこかと楽しみにしているが残念ながら今年は1枚も届かなかった。2022メートルの頂は長野県にあるものの、登山者が極端に少なく深いやぶにふさがれた難関だったらしい

 ▼23年も候補に挙がるのは長野の山。本県関係では24年に尾瀬の荷鞍山、26年に谷川連峰最高峰で県境稜線(りょうせん)トレイル上の仙ノ倉山が当たる。首都圏に近い本県の山なら、うまく宣伝して観光にもつなげられそうだ

 ▼日本百名山を選んだ深田久弥は「百の頂に百の喜びあり」と言い残した。旬の山が毎年どこかにあると思えば登山の楽しみも増す。西暦標高登山が、その山の魅力を再発見するきっかけになるといい

 ▼ただし仙ノ倉山から先、名の通った県内の山は少ない。新世紀の幕開けとなる湯ノ丸山(2101メートル)は次世代に託すとして、笠ケ岳(2058メートル)を人生100年時代の目標にしたい。