▼障害者の芸術支援に取り組む高崎市のNPO法人・工房あかね(小柏桂子代表)が活動を始めて15年目に入った。「可能性は見えてきた」。小柏代表とともに工房を支える前島芳隆さんは言う

 ▼障害者の作品を紹介し、芸術性を評価してもらう。それを障害者の経済的自立につなげ、さらに障害者が健常者とともに暮らせる社会を実現したい。こんな目標を掲げ2000年6月に工房を設立した

 ▼埋もれている作品を発掘して展覧会を開いたり、指導者を派遣。他の団体とも積極的に連携してきた。障害者の作品への評価は徐々に高まり、支援の輪は確実に広がった

 ▼問題点も見えてきた。その一つが作品の権利保護だ。障害者の作品を集めたフランスの美術展に出品して、海外では当たり前になっている著作権が、日本では曖昧なことが分かった

 ▼厚生労働省は本年度、障害者の芸術活動を支援するモデル事業を始めた。支援を担う団体に弁護士や学芸員が加わり、著作権などの保護、制作や展示方法を適切に助言できるようにする

 ▼「いろいろな人にもっと関わってほしい」。小柏代表、前島さんは口をそろえる。工房が目指す社会は、健常者にとっても暮らしやすく、心地よい社会に違いない。その実現のために、より多くの人が関心を持ち、それぞれの立場で関わってほしいと思う。