▼多様な価値観が併存する地球だからだろう。日々起きている出来事の中で怒りを禁じ得ない事例が少なくない

 ▼最近ではアフリカ・ナイジェリアで起きたイスラム過激派とみられる武装集団による女子生徒や少女ら270人以上の拉致。指導者は奴隷として売り飛ばすと脅迫している。多数の高校生が犠牲となった韓国の旅客船沈没事故もしかりだ

 ▼被害者にとって、これほど理不尽なことはない。残された家族や友人の心中はいかばかりか。背景を知れば知るほど、怒りが込み上げてくる

 ▼怒りの芽は身近な生活の中にも潜む。職場や家庭などで相手の言ったことにカッとなる。それをストレートに相手にぶつければ、人間関係を損なうし、無理にためこめば、健康によくない。付き合いが難しい感情だ

 ▼怒りのメカニズムの中心には「~すべきだ」という、個人の信念や価値観があるという。個人にとっては大切なものだが、全てが自身の価値観に沿うべきだとの考えは摩擦を生じやすい

 ▼パワーハラスメントや体罰などに社会の厳しい目が向けられる中、怒りを上手にコントロールする米国 生まれの心理教育プログラム「アンガーマネジメント」が企業や教育現場などで注目されている。多様な 価値観の人々とコミュニケーションすることが求められている時代ならではの知恵と言えそうだ。