▼地域の魅力を生かしたエコツーリズム推進に取り組むNPO法人日本エコツーリズムセンター(東京)のセミナー「教育と刃物」に参加した

▼かつて多くの人が日常的に利用していた小刀やナイフだが、犯罪に使われることへの恐れや技術の進歩、お金があれば大抵の物が手に入る社会の中で、使う習慣が失われつつある。セミナーはこんな状況に疑問を投げかけ、刃物を再評価することが狙いだ

▼講師は「アドベンチャー集団!Do」代表の黛徳男さん。黛さんは1982年に上野村で子ども向け自然体験事業「ガキ大将・スクール」を開始。会場は榛名湖畔に変わったが、33年間で約2万5千人が参加している

▼スクールでは、子ども一人一人にナイフを手渡す。最初にスクールの期間中、自分で使う箸を作らせ、その後も調理や工作に使う

▼初めてナイフを持つ子どもがほとんどで、手を切って血を流すこともあるが、それも体験の一つ。黛さんは「けがの痛みを知り、出血するこわさを体験しながら、正しいナイフの使い方を覚えた子どもたちは、決して他人にやいばを向けない」と話す

▼刃物は使い方を誤れば危険な道具となる。だからといって遠ざけるのではなく、どうすれば危険でなくなるのかを教える。指導する側には覚悟や勇気がいるが、こんな場所がもっと増えていいと思う。