▼年度初めの1日、秋田県由利本荘市で地中深くの岩盤に含まれる新型原油「シェールオイル」の商業生産が始まった。国内での事業化は初めて

 ▼日本はエネルギー源のほとんどを海外からの輸入に頼る。今回の生産量は原油輸入量に比べるとわずかだが、福島第1原発事故以降、エネルギー源の多様化が課題となる中、新たな資源の本格活用に期待が高まる

 ▼「原発は重要なベースロード電源」「原子力規制委員会が規制基準に適合すると認めた原発は再稼働」―。これらを骨子とする国のエネルギー基本計画が自民、公明の与党協議を経て、きょうにも閣議決定される

 ▼ベースロード電源とは発電コストが安く、安定的に稼働できる電源を言う。基本計画は民主党政権が掲げた「2030年代には原発ゼロ」を撤回し、再び原発をエネルギー政策の柱に据えようというものだ

 ▼原発停止が続く中、火力発電の燃料費が増加し、国富が流出しているという。とはいえ、政権与党がそれぞれ12年の衆院選時に掲げた“脱原発依存”の公約はどこに行ってしまったのだろう

 ▼シェールオイルや愛知県沖の海底でガス産出試験に成功したメタンハイドレートなど新たな資源の活用にはまだ課題が多い。安全性が大前提となるエネルギー政策。基本計画は過酷 事故の教訓を生かしたものと言えるのか。