▼金属製の鏡に光を当てて反射させると、裏面の文様が映し出される現象を魔鏡現象という。魔鏡は中国では紀元前からあったが、日本の古墳からしか出土しない三角縁神獣鏡で初めてこの現象が確認され、先月末、京都国立博物館が発表した

 ▼三角縁鏡は縁の断面が三角形の銅鏡で、「卑弥呼の鏡」とも呼ばれる。近畿地方の古墳を中心に500枚以上出土しており、ヤマト王権から地方の豪族に支配権承認の印として配られたらしい

 ▼本県からは12枚が出土。関東地方でも突出した枚数は、古墳の数の多さとともに、古代の群馬が“東国の雄”として存在感を示していたことの証しだろう

 ▼古墳県の全容を解明する県教委の総合調査のうち現地調査が伊勢崎市を皮切りに始まった。初日のきのうは雪が舞う「立春」となったため、ミーティングどまりだったが、2015年度の報告書刊行を目指す

 ▼県全域での調査は1935年以来約80年ぶりとなる。この時は郷土史家や小学校の教員などが参加し、8423基を網羅した報告書『上毛古墳綜覧(そうらん)』を刊行している

 ▼今回の総合調査は現地調査と市町村誌などの情報のデジタル化が両輪で、県民調査員が大きな役割を担う。平成版『上毛古墳綜覧』が示す古代群馬の状況、地域の移り変わりなどは今後の郷土を考える上での貴重な資料となりそうだ。