▼みどり市の富弘美術館が初めて企画した詩画の公募展で、一般の部大賞に選ばれた「さん・てん・いち・いち」は、タイトルの通り東日本大震災を題材にしている。被災者の小野寺忍さん(宮城県)の作品である

 ▼津波被害に遭った家や車を手のひらに乗せた絵に「流されたたくさんの命(略)かけがえのない日常を 遍あまねくこの手で救えたら 私の想おもいも救われる」の言葉を添えた。やるせない気持ちが伝わる

 ▼おかしな天候の1年だった。気象情報会社ウェザーニューズの調査では、気象現象により5人に1人が命の危険を感じたという。「土砂崩れを目の当たりにした」「室温が45度を超えた」などの事例が寄せられた

 ▼また、猛暑や31個の台風ラッシュで、8割が「今年は異常気象」と認識した。人力など及ぶべくもない自然の猛威だが、対策を取れば必ず被害は減らせるはずだ

 ▼水害や土砂災害時に、避難勧告などを発令する具体的基準を定めていない県内自治体がまだ多いことを本紙が伝えていた(24日付)。いつ襲ってくるか分からない自然災害だけに策定は急務だろう

 ▼聖路加国際病院名誉院長の日野原重明さんは「命とは時間。それも自分が使える時間」と説き、尊さを訴え続ける。一度しかない大切な時間だ。今年も終わる。来し方行く末に〝命の時間〟を重ねつつ、その重みをかみしめる。