区間新記録の走りで13人抜きした群馬の4区不破=京都・丸太町河原町の第3中継所
区間7位の走りで7人を抜き、17位でゴールする群馬のアンカー岡本

 第40回全国都道府県対抗女子駅伝は16日、京都市のたけびしスタジアム京都発着の9区間42.195キロで行われ、群馬県は2時間20分14秒の17位で2大会連続の入賞を逃した。4区(4キロ)の不破聖衣来(せいら)(拓大、健大高崎高出身)は13人を抜き、12分29秒の区間新記録を樹立。東京五輪女子1万メートル7位の広中璃梨佳(日本郵政グループ)が2018年にマークした従来の区間記録を3秒上回り、優秀選手賞に輝いた。

区間新 なお余力

 大きなストライドでぐんぐん加速した。本県の4区不破は22位で走り出すと、一人だけ違うレースのようなスピード感で次々に選手をかわした。9位に押し上げ、高校の後輩の5区山田愛(健大高崎高)と笑顔でたすきリレー。高校時代は今大会と同様に京都で行う全国高校駅伝に出場できず「やっと都大路でたすきをつなげた」と喜んだ。

 昨年12月に女子1万メートルで日本歴代2位の記録をマーク。今大会は順当にいけば最長9区(10キロ)の予定だったが、疲労を考慮された。「気を使っていただいた分、流れをつくる」と意気込み、ペースを気にせず前を猛追。区間新記録をマークしてなお、「出し切れなかった感じがある」。世界選手権を視野に入れる18歳は、底知れなかった。

 初出場は高崎大類中2年の2017年。今回1区を走った樺沢和佳奈(資生堂、当時常磐高)からたすきを受け、「背中を押してもらった勢いで走れた」と中学生区間の3区で区間賞に輝いた。「自信が付いた」と転機の一つになった。

 良い思い出ばかりではない。19年は1区区間28位と出遅れ、本県が7位入賞した20年は4区区間13位で「先輩たちに助けてもらった」と振り返る。だからこそ、今回苦戦した後輩たちに「悔しい結果も財産になる」と寄り添う。

 5区山田は「聖衣来さんに少しでも追いつきたい」と拓大への進学を希望。3区小泉咲菜(伊勢崎四中)は「不破さんがたくさん声をかけてくれた」と感謝する。初出場から5年。周囲に支えられていた選手は、憧れの、頼れる先輩に成長していた。

 レース経過 

 本県は1区樺沢が先頭と1分19秒差の区間30位と苦しいスタートになった。2区並木は8人抜きで22位に押し上げ、中学生区間の3区小泉は順位をキープ。4区不破は序盤から飛ばして13人を抜き、入賞圏内の8位と4秒差の9位に浮上した。5区山田、6区清水、7区高橋は苦戦を強いられ、中学生区間の8区落合は24位で走り出して順位を守った。9区岡本はハイペースで走り、中間点までに4人抜き。最後は17位でゴールした。

【本県個人成績】

▽1区(6キロ)

(30)樺沢和佳奈(資生堂、常磐高出身)

(30)20分0秒

▽2区(4キロ)

(22)並木 美乃(常磐高)⑧12分45秒

▽3区(3キロ)

(22)小泉 咲菜(伊勢崎四中)(26)10分5秒

▽4区(4キロ)

❾不破聖衣来(拓大、健大高崎高出身)

①12分29秒=区間新

▽5区(4.1075キロ)

(12)山田  愛(健大高崎高)(26)13分50秒

▽6区(4.0875キロ)

(22)清水 愛実(健大高崎高)(46)14分29秒

▽7区(4キロ)

(24)高橋くるみ(常磐高)(40)13分51秒

▽8区(3キロ)

(24)落合優希奈(甘楽中)⑲10分22秒

▽9区(10キロ)

(17)岡本 春美(ヤマダホールディングス、常磐高出身)⑦32分23秒

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(17)ゴール2時間20分14秒

※白抜き数字は全体順位、丸数字は区間順位。

ベスト布陣組めず苦戦 群馬17位

 2大会連続の入賞を狙った本県は、序盤から後手に回って17位にとどまった。本調子ではない選手が多く、ベストオーダーを組めなかったことが痛かった。永井聡監督(東洋大)は「急な区間変更で負担をかけてしまった選手もいた。想定が崩れると、駅伝は難しい」と振り返った。

 1区(6キロ)で区間30位と苦戦した樺沢和佳奈(資生堂、常磐高出身)は、当初2区(4キロ)を予定。スピード型で長い距離への不安はあったものの、実業団選手として責任を持って走った。左ふくらはぎに違和感があったというが「区間15位くらいでまとめるべきだった」と言い訳にしなかった。

 苦しい状況の中でも、区間1桁でまとめた選手もいた。2区並木美乃(常磐高)は「最初の上りで力まず走り、最後はペースを落とさず走れた」と計算通りの走りで8人抜き。最長9区(10キロ)の岡本春美(ヤマダホールディングス、常磐高出身)は「本調子ではなかった」としながら、順位を24位から17位に上げた。

 実業団選手や大学生の成年世代を4人起用したチームもある中で、本県は3人のみ。底上げは急務だが、若い選手が大舞台を経験したことは未来への投資になる。初めて本県代表として走った8区落合優希奈(甘楽中)は「すごく楽しかった。また代表で走れるように経験を生かしたい」と声を弾ませた。

区間1位記録

 ▽1区=6キロ 五島莉乃(石川・資生堂)18分41秒

 ▽2区=4キロ 柳楽あずみ(福岡・筑紫女学園高)12分28秒

 ▽3区=3キロ 岡本彩希(福岡・曽根中)9分25秒

 ▽4区=4キロ 不破聖衣来(群馬・拓大)12分29秒=区間新

 ▽5区=4.1075キロ 道清愛紗(兵庫・須磨学園高)12分57秒

 ▽6区=4.0875キロ 石松愛朱加(兵庫・須磨学園高)12分52秒

 ▽7区=4キロ 細谷愛子(京都・立命館宇治高)12分38秒

 ▽8区=3キロ 川西みち(福岡・永犬丸中)9分30秒=区間新

 ▽9区=10キロ 広中璃梨佳(長崎・日本郵政グループ)31分27秒

 ▽成績 ①京都(筒井、井手、川上、三原、太田、村松、細谷、山田、安藤)2時間15分5秒②福岡2時間15分25秒③宮城2時間15分42秒④兵庫2時間16分13秒⑤長崎2時間17分8秒⑥大阪2時間17分10秒⑦愛知2時間17分32秒⑧福島2時間17分58秒⑨神奈川2時間18分5秒⑩長野2時間18分21秒⑪鹿児島2時間18分24秒⑫千葉2時間19分9秒⑬岡山2時間19分18秒⑭静岡2時間19分23秒⑮茨城2時間19分59秒⑯埼玉2時間20分8秒(17)群馬2時間20分14秒⑱愛媛2時間20分25秒⑲宮崎2時間20分30秒⑳東京2時間20分32秒(21)広島2時間20分35秒(22)熊本2時間20分50秒(23)北海道2時間21分17秒(24)栃木2時間21分21秒(25)徳島2時間21分25秒(26)滋賀2時間21分33秒(27)山口2時間22分1秒(28)青森2時間22分10秒(29)大分2時間22分14秒(30)秋田2時間22分32秒(31)佐賀2時間22分50秒(32)石川2時間22分55秒(33)三重2時間23分0秒(34)奈良2時間23分24秒(35)高知2時間23分46秒(36)岩手2時間23分50秒(37)岐阜2時間24分1秒(38)富山2時間24分14秒(39)和歌山2時間24分30秒(40)福井2時間24分37秒(41)山梨2時間24分43秒(42)新潟2時間24分56秒(43)山形2時間25分23秒(44)島根2時間26分5秒(45)香川2時間28分30秒(46)鳥取2時間28分37秒(47)沖縄2時間36分24秒