eスポーツがますます広まっていく中、「ゲーム依存(ゲーム障害)」の問題が指摘されています。eスポーツに対する批判や反対意見が根強い大きな要因であり、特に子どもを持つ親にとっては大変気になることでしょう。

 世界保健機関(WHO)は2019年、ゲーム障害を国際疾病分類に正式に認定し、「ゲームをする時間や頻度を自ら制御できない」「ゲームを最優先する」「問題が起きているのに続ける」状態が12カ月以上続き、社会生活に重大な支障が出ている場合に障害と診断されるとしました。精神疾患の診断基準・診断分類であるDSM―5でも、インターネットゲーム障害は今後研究が進められるべきものとして提案されています。厚生労働省は、ゲームを1日6時間以上している人の46%がやめなければいけないのにやめられず、その25%はゲームを生活で一番大切なものと考え、学業・仕事への支障や肉体的・精神的問題が生じても続けているとしています。

 eスポーツはやらない方が良いのでしょうか。

 新型コロナウイルスによって、私たちの行動は制限されました。仲間と気軽に会って話したり出掛けたりすることも少なくなりました。大学も入学式をはじめとして多くの行事や活動を実施しませんでした。感染拡大当初は分からないことが多く、リスクマネジメントの面からやむを得ませんでした。

 しかし今、社会は対策や予防をしながら「やる」ための工夫や努力をしており、大学でも対面授業や諸活動を実施するようになりました。eスポーツも同じだと考えます。

 eスポーツはオンラインでできることが特長のため、コロナ禍でも広がりました。昨年、本県ではGメッセ群馬を活用して多くの大会が開かれ、若者を中心に大いに盛り上がりました。外出自粛の中、子どもやお孫さんと一緒にゲームを楽しんだり、会えない友人と一緒にプレーしたりした人もいるでしょう。

 eスポーツはどんな社会情勢でも年齢や性別、国籍、障害などの壁を超えて誰もが参加できます。ゲームは状況判断力や問題解決能力を高め、協調性や社会性を培うことができ、子どもが社会で必要な能力を身に付けることができるともいわれています。eスポーツをやらないことは、これらのメリットを失うことになります。

 ゲーム依存はプレー時間の長さと関連性があり、自分でコントロールすることができればその危険性は低くなります。しかし、子どもには難しいのも事実です。そのため、ゲーム依存にならないようにしながらeスポーツを楽しむ工夫や努力が必要だと考えます。やめるのは簡単ですが、それでは何も生まれません。このような時代だからこそ、何事もやる方法を見いだしていきたいものです。

 【略歴】専門は社会心理学。2004年に育英短大に着任し、14年から現職。22年春、県内初のeスポーツに特化したコースを学科内に開設する。大阪府出身。