▼「屋根が壊れそうだった」「雷もひどく、建物が揺れた」「脳裏から離れない大雨とすごい濁流で怖かった」―。28日に中国地方を襲った記録的な大雨。島根県津和野町の住民の声は水害のすさまじさを伝えている

 ▼気象庁は「これまでに経験したことのないような大雨となっている所がある」として「命を守る行動を」と呼びかけた。水害をもたらした大気の不安定な状態はきのうも続き、新潟県や島根県に猛烈な雨を降らせている

 ▼日本の歴史は水害に悩まされてきた歴史でもある。古代中国の「夏」王朝を創始したとされ、暴れ川の黄河を治めたことから「治水の神」とたたえられる禹王(うおう)の碑が片品村など全国各地にあることはその証左だ

 ▼法政大の王敏教授によると、禹王に由来する碑や史跡は確認されているだけで国内に63カ所。大半が急流河川の近くに洪水を鎮めるために建立されたり、開削された灌漑(かんがい)用水路の完成記念につくられたという

 ▼気象庁は重大な自然災害が起きる恐れが高まった場合に発表する「特別警報」を来月30日から運用することにしていた。中国地方の大雨はその矢先の出来事だった

 ▼日本では大雨の年間日数が増加傾向にある。いざという時に「命を守る行動」に移れるように、自宅近辺や通勤通学路をチェックしたり、災害時の行動を事前に決めておきたい。