大正期の薬局をリノベーションした「本町しもたや」と大沢代表

 貸し出しが難しい休眠不動産物件の再生事業を手掛ける。同社が打ち出す「しもたやシェアサービス」は、高崎市街地エリアの空き家・空きスペースを改装して貸し出す定額制のサービスだ。2021年度のグッドデザイン賞を受賞し、大沢博史代表は「シェアの将来性と空間の美しさを評価していただき、自信につながった」と話す。

 同社は13年から高崎市街地で、休眠物件を活用したエリア開発事業を手掛けてきた。シェアサービスは「増え続ける空き家の活用と、『まちを使う』という意識の人々とをつなぐ」とのコンセプトで18年に始動した。「暮らしを豊かにする機能」を街中に点在させ、空き家の新しい活用と暮らしの在り方を提案している。

 サービス名は「商売をやめ、一般の民家となった元商店」を意味する「仕舞た屋(しも)」に由来する。現在は大正時代に建てられた薬局を改装した「本町しもたや」など3カ所が対象だ。会員は月額料金を支払うと、半径200メートルの範囲に点在するリビング(本町しもたや)のほか、ジム、キッチンといった機能を持つスペースを使うことができる。

 グッドデザイン賞では、①まちの使い手を増やすこと②サブスク方式のシェアサービスの展開③休眠建物の新たな価値創出―をアピールポイントに挙げた。審査委員は「これから空室が増えていく中、リビングやキッチン以外にも新しい活用方法が生み出されていくことを期待している」とコメントを寄せた。

 大沢代表は「今後は図書館や宿泊施設、リラクセーションスペースなども手掛けていきたい」と意欲を見せている。

これも自慢

 地域の魅力創出に向け、意欲的な人材と空きスペースのマッチングもしている。管理する本町しもたや1階に入居する「伊東屋珈琲(コーヒー)高崎店」や、中庭にある焼き菓子店「アンフルティエール」が代表例だ。

【会社メモ】2013年創業。JR高崎駅西口周辺に特化した地域再生事業を手掛ける。休眠物件を掘り起こし、市街地への居住や出店を希望する人に情報発信をしている。