▼きょうは二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」であり、「環境の日」。日本が国連に働きかけて制定された「世界環境デー」でもある

 ▼それに合わせたように、政府はきのう、2013年版「環境・循環型社会・生物多様性白書」(環境白書)を閣議決定した。「豊かさ指標」を提唱したのが特徴だ

 ▼国の在り方を評価する基準としては国内総生産(GDP)がある。白書はこれに加え、自然環境の充実や幸福感も対象とする新たな「豊かさ指標」の必要性を強調。将来の環境基本計画に盛り込むことを目指す

 ▼一方で、福島第1原発事故による放射性物質汚染について「影響は甚大」と記したものの、12年版の「最大の環境問題」からトーンダウンした。本県にとって事故で生じた指定廃棄物の処分が目下の「最大の環境問題」である現状に照らしてみて、何とも解せない

 ▼本紙が行った最終処分場建設問題のアンケート結果を見ると、受け入れ容認の自治体は一つもない。住民の理解を得にくいことや、風評被害、安全性を懸念する意見が目立ち、問題解決の難しさを浮き彫りにする

 ▼原発事故は周辺住民の生活を取り返しのつかないものにし、海、山、川、田畑などの自然を汚した。放射性物質汚染の表現後退は原発再稼働をめぐる議論への配慮からなのか。自然環境、幸福感への配慮が足りなすぎるのではないか。