▼久しく駒に触れていないので将棋は素人同然なのだが、現在進行中の盤上の戦いには無関心でいられない。プロ棋士とコンピューターソフトによる5対5の団体戦、第2回電王戦だ

 ▼先月23日に始まったこの戦い。第1局はプロ棋士に凱歌(がいか)が上がったが、第2局は将棋ソフトが史上初めて現役のプロ棋士を下した。第3局もソフトに軍配が上がり、第4局は持将棋(引き分け)となって、きょう第5局が行われる

 ▼将棋に似たゲームは世界各地にある。日本の将棋が世界で最も複雑でスリリングな盤上遊戯といわれるのは、取った敵の駒を味方の駒として再利用できる「持ち駒使用」のルールがあるからだ

 ▼将棋ソフトの開発が始まったのは1970年代半ば。ルーツが同じといわれるチェスの世界チャンピオンがコンピューターの軍門に下ったのは97年だったが、将棋はルールの複雑さが厚い壁となってきた

 ▼だが、近年のソフトの進化は目覚ましい。プロの棋譜を手本に形勢判断がより正確にできるようになり、局面、局面で最善手を探せるようになった

 ▼電王戦は棋士の1勝2敗1持将棋。最終局は大将格の三浦弘行八段(高崎市)と昨年の世界コンピュータ将棋選手権優勝の「GPS将棋」の対戦となる。人間対機械の戦いはどんな結末を迎えるのか。勝敗の行方は門外漢にも気になるところだ。