▼習近平国家主席、李克強首相の新体制が発足して間もない中国だが、その力量を試すかのような鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の拡大だ。政府が先月末に初の死亡例を公表してから2週間。死者数は2桁となった

 ▼中国では10年前にも感染症の拡大があった。胡錦濤国家主席、温家宝首相の新体制が発足した直後の新型肺炎(SARS)の大流行。この時は対策が後手に回り、世界で750人を超す死者が出た

 ▼今回は前車の轍(てつ)を踏むまいと、拡大阻止に躍起となっている。上海市では生きた鳥の市場を閉鎖したり、南京市では食用に住民が飼っているニワトリなどの殺処分を飼い主に義務付けたり…

 ▼日本でもこれを受けて、新型インフルエンザ対策特別措置法が施行された。2009年に新型インフルエンザが流行した際の対応を踏まえ、感染拡大防止策を法に基づいて行えるよう1年前に制定されていた

 ▼特措法では政府が緊急事態を宣言すると、発生地域の知事は外出の自粛や学校の休校、興行施設の利用制限などを要請できる。民間事業者や住民の協力義務も明記している

 ▼政府はH7N9型について、人から人への感染が確認されておらず、今のところ特措法の対象ではないとしているが、大流行阻止に向けた中国当局の対策や関係機関の国際協力は果たして奏功するか。