年始から群馬県内で火災が多発している。各消防本部によると、1~19日に県内で発生した火災は計57件(暫定値)に上り、死者7人、負傷者11人となっている。日本海側の大雪に伴い、県内は平野部を中心に北風が強く乾燥した日が続き、火災が発生しやすくなっているという。各消防本部は火の取り扱いへの十分な注意や、住宅用火災警報器の設置などを呼び掛けている。

 前橋地方気象台によると、県内は冬型の気圧配置が続き、山を越えて乾いた北風が吹き付けて乾燥する日が目立つという。今年に入り1~9日と14~20日の計16日間、乾燥注意報が発表されている。空気の乾燥した状態は、南部を中心に今後も続く見通しだ。

 この間、県内各地で火災が相次いだ。高崎市等広域消防局管内では19日までに県内最多の17件が発生し、前年同期から6件増えた。8日未明には同市井野町で木造住宅を全焼し、2人が亡くなった。太田市消防本部管内では9件が発生。同消防本部の担当者は「前年の2件に比べてかなり多い印象だ」と打ち明ける。

 各消防は危機感を示し、注意喚起や広報活動に努めている。高崎市等広域消防局はホームページ上で「火災が激増中」と掲載し、チラシも作製した。桐生市消防本部は管内で山林火災もたびたび発生していることから、山間部でのぼり旗を掲出するなど注意を呼び掛けている。

 富岡甘楽広域消防本部は「新型コロナウイルス対策用の消毒液に引火して火災が起きるとの報道もある」と説明。管内の企業に、消毒液をストーブなど火気を伴う器具の近くに置かないよう注意喚起するパンフレットを配る考えだ。

 住宅火災の主な原因として、県消防保安課や各消防は「たばこやストーブ、コンロなどの火の不始末」を挙げ、目を離す際や就寝前には必ず消火を確認するよう促す。高崎市等広域消防局は「コンセントの周りやたこ足配線などにも注意が必要」と指摘。こたつやストーブといった暖房機器は電力消費量が多く、たこ足配線をすると、器具の上限の電流を超えやすくなり危険が増すという。

 夜間や未明は火災に気付きにくく、逃げ遅れると命の危険がある。各消防は、火が出た際に速やかに避難するために「住宅用火災警報器の設置を」と訴える。2011年に設置が義務化されたが、昨年6月時点の県内設置率は74%で全国平均を下回っている。県消防保安課は「自分は大丈夫と思い込まず、設置をしてほしい」としている。