▼寒さが身にこたえる。ことに今季は平野部で冷たい強風が吹きまくる日が多い気がする

 ▼そんな晩にいただく鍋料理のぬくもりの、なんとありがたいことか。とりわけうれしいのは、煮込んだ旬の野菜を味わえたときだ

 ▼〈白菜をさつくさつくと鍋用意〉(高木晴子)。鍋料理の材料の代表格は白菜だろう。本紙ジュニア俳壇「若葉の部」に数年前、こんな句があったのを覚えている。〈白菜は空っ風で甘くなる〉。白菜は冷たい風を受けることで、寒さから身を守るために糖度が増し、甘くなるといわれる

 ▼高崎・国府地区で栽培される名産「国府白菜」などの地元野菜を販売する農事組合法人「国府野菜本舗」によれば、野菜づくりに適した肥ひ沃よくな土地と冬の空っ風が、この白菜ならではの食味と甘みを生んでいるという

 ▼そうした気候、風土に根ざした野菜への関心が高まっている。同本舗が地元農家12軒から丸ごと買い付けしている伝統野菜「国分ニンジン」は、3月いっぱいは提供できると見込んでいたが、全国から注文があって、先週には完売した

 ▼本県では、下仁田ネギをはじめ、下植木ネギ(伊勢崎市)、田口菜(前橋市)、宮崎菜(富岡市)など個性豊かな伝統野菜が各地で今も栽培されている。心をほぐしてくれる郷土料理に欠かせないこれらの野菜は、かけがえのない文化財である。