2021年度の群馬県内の繭生産量が前年度比26.1%減の22.2トンで、戦後最少を更新したことが県のまとめで分かった。減少は6年連続。養蚕農家の高齢化に伴う生産規模の縮小に、昨春の遅霜によるクワの生育不良が追い打ちを掛けた格好となった。

 県蚕糸園芸課によると、21年度の蚕期ごとの生産量は春8.4トン(前年度比28.2%減)、夏3.9トン(27.8%減)、初秋1.7トン(5.6%減)、晩秋6.2トン(26.2%減)、初冬2.0トン(25.9%減)だった。

 遅霜でクワの葉が確保できず、全蚕期の養蚕を断念した農家がいたほか、生産量が約7割減ったエリアもあったという。気候の影響があるものの、減少率が20%を超えるのは13年度(28.3%減)以来。従事者の高齢化も避けられず、21年度を年代別にみると、80代が37%、70代が29%をそれぞれ占め、平均年齢は73.2歳だった。

 県内生産量を巡っては、14年の「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界文化遺産登録を追い風に、15年度に32年ぶりに前年度比で増加となった。その後は再び減少に転じ、19年度に40トンを下回り、20年度には30トンを割り込んでいる。

 一方、養蚕業の新規就農は21年度の2件を含め、8年連続で続いている。県は16年度から参入希望者へノウハウを伝授するプログラム「ぐんま養蚕学校」を開いており、新年度も同学校の取り組みなどを通じて就農環境を整え、新たな担い手確保に力を注ぐ。

 農家の負担軽減などが期待される県独自蚕品種の普及にも取り組む。21年度は暑さに強い「なつこ」の飼育エリアを県内一部地域から全県下へ拡大。なつこを育てた初秋は、生産減少率を小さく抑えた。