▼幼いときに家の中や隣近所で使われていた地域特有の言葉は、大人になっても忘れない。例えば、「ぶちゃる」(捨てる)、「ちっとんべー」(少し)、「ぎっこんばったん」(シーソー)などだ

 ▼「のめし」もその一つ。怠け者とか横着を意味する。ラジオ体操に行くのを嫌がったときに言われたのか、夏休みの宿題になかなか手をつけないので言われたのか、記憶ははっきりしないが、いまの若い人たちに言っても首をかしげるだけだろう

 ▼働くべき人が働かなかったり、やるべきときにやらなかったりした場合に使われる「のめし」という言葉。いまもこうした人はいるのだろうが、現代は働くべき若者が働きたくても自分の望み通りに働くことが難しい時代だ

 ▼少子化時代となっても、不況や企業を取り巻く構造的変化などが社会への関門を狭くしている。「新卒一括採用」の慣行は依然根強く、卒業時に正社員になれないと、不安定な雇用からなかなか抜け出せない

 ▼政府はこうした現状を変えようと、労働界、産業界、教育界などと若者雇用戦略をつくり、自ら職業人生を切り拓(ひら)ける骨太な若者への育ちを社会全体で支援しようとしている

 ▼きょうは「勤労感謝の日」。戦略は、勤労を尊び、働くことに喜びを見いだす若者を増やすことができるのか。来月から大学生の就職活動が本格化する。