4選を決め、支持者と万歳する黒岩氏(手前)=23日午後8時50分ごろ、草津町内のホテル

 任期満了に伴う群馬県の草津町長選は23日投開票され、無所属現職の黒岩信忠氏(74)=草津=が前回を上回る2484票を獲得して4選を果たした。ともに無所属新人で、元みどり市議の海老根篤氏(74)=みどり市大間々町大間々=と元町議の新井祥子氏(52)=草津=は及ばなかった。投票率は56.46%で、過去最低だった前回を0.60ポイント上回った。県内の町村長選で選挙戦となるのは、2020年1月26日投開票の玉村町長選以来、約2年ぶり。

 「福祉と観光のモデルタウン確立」を掲げた黒岩氏は観光や商工、建設業など多くの地元団体や町議らの支持を受け、組織戦を展開。3期12年の実績を強調した上で、コロナ収束後の入り込み客数400万人を目標とした温泉街の整備や福祉、教育のさらなる充実などを掲げ、支持を広げた。22日には山本一太知事が駆け付け「草津の発展は群馬の発展につながる。(黒岩氏と)2人で力を合わせて草津の魅力をさらに高めていきたい」と応援演説した。公明党県本部の推薦を受け、吾妻郡区選出の県議や近隣の町村長らの支持も得て、盤石な体制を築いた。

 午後8時半ごろ、黒岩氏の陣営が待機していた同町草津のホテルに当選の一報が入ると、大きな拍手が沸き起こった。支持者らと万歳三唱し、喜びを分かち合った黒岩氏は「オール草津で戦った選挙だった。町民の幸せのため、最後の仕事として(国道292号の)立体交差、温泉門を完成させる」と決意を語った。

 当日有権者数は5239人(男2631人、女2608人)。

草津町長選開票結果(選管確定)
当2484 黒岩 信忠 74 無現④
  141 新井 祥子 52 無新
  132 海老根 篤 74 無新
(無効201票、不受理・持ち帰り0票、敬称略) 丸数字は当選回数

落選の2人 謝罪と感謝 新井、海老根両氏
 草津町長選に立候補したいずれも新人の新井祥子氏(52)=草津=と海老根篤氏(74)=みどり市大間々町大間々=は町政の変革を求めて挑んだが、及ばなかった。

 23日午後8時55分ごろ、草津町の新井氏の選挙事務所に確定票数が伝わると、新井氏は落胆の表情を浮かべ、「応援に駆け付けてくれた方々に申し訳ない。票を入れてくれた人の気持ちを大切にこれからも(政治)活動を続けたい」と述べた。

 海老根氏は同日午後8時45分ごろ、開票所の同町役場で参観人席に座ったまま粛々と結果を受け止め、「(得票の)132という数字に感謝の言葉しかない。聞く耳を持たない町政に対し、隠れて反対する人が入れてくれた票だ」と話した。

【解説】理想の温泉街へ手腕を
 現職の黒岩信忠氏が新人2人を退けて4選を果たした。2019年に過去最高となる年間入り込み客数328万人を達成する原動力となった温泉街整備や、新型コロナウイルス感染拡大を受けた迅速な対応など、3期12年の実績が町民に評価された形だ。

 4期目は、自身の集大成として掲げる国道292号の立体交差と温泉門の整備が目玉事業となる。

 街頭演説で「100年先を見据えた町づくりの基礎を、次の4年間で築き上げたい」と力強く訴えた黒岩氏。温泉門とともに、大型駐車場や湯畑につながる町道の整備など大型投資によって、思い描く理想の温泉街の青写真を実現し、コロナ禍で疲弊する温泉街の客足回復に結び付けられるか、手腕が問われる。

 今回の選挙では、大差を付けて勝利する結果となった。だが、新人候補は黒岩氏の町政運営や多選を批判し、出馬した。18年の本白根山噴火への迅速な対応などに見られる実行力が評価される半面、強いリーダーシップに対する批判も少なからずある。

 幅広い町民の声に耳を傾けながら、オール草津で日本有数の観光地「草津」のブランド力向上にまい進してほしい。

 黒岩信忠(くろいわ・のぶただ)氏
 【略歴】不動産会社社長、草津観光公社社長。元町議7期、元町議会議長、元町議会総務観光常任委員長。草津中卒
 【公約】(1)福祉と観光のモデルタウン確立(2)国道292号の立体交差と温泉門整備(3)教育、福祉、医療の充実(4)企業支援と雇用確保

草津町議補選 開票結果
(欠員2-3、選管確定)
当1506 安斎 努 59 無新①
当1097 小林純一 49 無元②
◎ 178 井田剛文 60 無新
(無効177票、不受理・持ち帰り0票、敬称略、丸数字は当選回数、◎は繰り上げ当選の権利獲得者)