▼来年の世界文化遺産登録を目指す富士山で先ごろ、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関による現地調査が行われた。ユネスコは調査結果に基づく勧告を踏まえ、来年6月の世界遺産委員会で登録の可否を決める

 ▼高さ、美しさ、厳かさを兼ね備えた富士山だが、全国にはこの日本一の霊峰と何らかの関わりがあったり、姿が似ていることから、「富士」の名がつく山が数多くある

 ▼静岡県富士市などがそれを確かめるイベントを行ったところ、本県の榛名富士など321の「富士」があった。また、海外にも移民や旧日本兵が命名した「富士」の名がつく山が50以上あるという

 ▼「富士」の名は山だけにとどまらない。大相撲のしこ名にもつく。過去の横綱に限ってみても、東富士、北の富士、千代の富士、旭富士…。そして、この旭富士の弟子に当たる日馬富士がきょう、第70代横綱に昇進する

 ▼68代朝青龍、69代白鵬に続いてのモンゴル出身の日の下開山。小兵ながら豊富な稽古量で成し遂げた2場所連続の全勝優勝は文句のつけようがない

 ▼日本相撲協会は白鵬との2人横綱に人気回復を託したいところだろう。だが、日本人現役力士に奮起を促す一方、新弟子の発掘、育成により一層力を入れなければ、難しい。日本の国技を文化遺産入りさせてはならない。それは協会の責務だ。