しゃべくり漫才で観客を楽しませるTEAM BANANAの藤本さん(左)と山田さん

 群馬県の桐生商業高在学時にお笑いコンビ「TEAM BANANA(チームバナナ)」を結成した同級生の藤本友美さん(33)と山田愛実さん(33)。2人が古里桐生市から羽ばたき主戦場にする東京の劇場は、新型コロナウイルスの影響で休館となるなど対面で直接笑いを届ける機会が激減した。無観客、入場制限を経て観客の笑い声が戻り始め、改めてその仕事への「やりがい」を感じているという。

 ―コロナ下、どう過ごし何を感じたか。

 藤本 3カ月ほどは漫才を披露するステージすらなく、これほどまでに長い休みは(2008年の)デビュー以来初めてだった。「不要不急」という言葉が出てきて、私たちがやっていることは必要なことなのかと、大きな不安が押し寄せた。舞台に復帰した日、心から漫才をやりたいと感じた。不安の中で漫才から離れ、改めて漫才が好きだと分かった。

 山田 未知のウイルスに対しての付き合い方も分からない中で、終わりの見えない休み。怖かった。対面で笑いを届けるという私たちの仕事の形が変わってしまうのではとも感じた。ネット配信の活用が進み、「私たちの職種が変わってしまうかも」という恐怖があった。舞台が再開し本当に安心した。

 ―劇場は再開したが当初は無観客だった。

 山田 最悪だった。無観客に少し慣れた時に、これでは意味が違うと感じた。私たちの声、お客さんの笑い声といった互いの生の反応がないと、私たちの仕事ではないと思った。

 藤本 無観客での漫才の映像を後で見た時に出来栄えがとても悪かった。お客さんのありがたみ、必要性を心から感じた。

 ―2人の漫才にとって声とは。

 山田 私たちの漫才は、お客さん一人一人へ問い掛ける感覚で行っている。生活の延長線上にテーマを据えていて、声色やトーンによって面白さの印象ががらっと変わる。声の大きさやトーン、語感の良さなど、相方と「どっちがいい?」と吟味してネタを作っている。

 反応によって少しずつ進行を変えていくのが楽しみで、醍醐味(だいごみ)でもある。お客さんからもらう「共感」はやりがいそのもの。

 ―08年にプロとなり20、21年は女性芸人日本一決定戦「THE W(ザ・ダブリュー)」のファイナリストに。これまで「苦しい時」もあった。続けてこられた原動力は。

 藤本 群馬での舞台で、初心に帰り気持ちがリフレッシュできている。また、相方のお笑いに対する信念が、私やコンビを引っ張ってくれている。

 山田 東京でしんどいことがあっても群馬の舞台で聞こえたのは「楽しみにしていた」の声。辞めたいと思った時にふとよぎるのが、地元の応援だった。

 ―あこがれの舞台の一つ、大阪市の劇場、NGK(なんばグランド花月)の本公演に今月、来月と出番をもらうなど活躍が続く。コロナ収束後、大きく叫びたい言葉は。

 山田 「ライブに絶対に来てください」―。この言葉は、コロナ関連の事情などで来られない人をがっかりさせてしまうから、今はなかなか言えない。収束したら、2人が等身大のスタイルを存分に出すことができる舞台を思いきりPRしたい。

 藤本 お客さんへ「ありがとう」と伝えたい。好調な漫才ができるのはお客さんのおかげだから。