連携協定に署名する群馬銀行の深井頭取(右)と足利銀行の清水頭取=桐生市
連携協定を締結した群馬銀行の深井頭取(右)と足利銀行の清水頭取

 群馬銀行(前橋市元総社町、深井彰彦頭取)と足利銀行(宇都宮市桜、清水和幸頭取)は24日、桐生市内で記者会見し、営業エリアが重なる両毛地域を中心に産業活性化や顧客サービス向上を図る連携協定「りょうもう地域活性化パートナーシップ」を結んだと発表した。ライバル関係を維持しながら、同地域に集積する自動車関連産業の電気自動車(EV)化対応支援や、コロナ下での新業態への変革支援などで両行の経営資源を相互に活用する。

 両毛地域(桐生、太田、みどり、邑楽館林、足利、佐野)では足利銀と営業エリアが重複することから、競争関係は維持しつつ、顧客サービス向上を軸に連携する。経営統合などは現時点で想定していない。

 具体的には①協調融資や社会課題解決のための投融資での連携拡大②両行の投資専門子会社の活用③企業の成長、事業再生支援での協力④事業承継や企業の合併・買収(M&A)、販路開拓の支援での協力―などを想定している。

 互いに持つシンクタンク機能の相互活用や自動車関連産業支援チームでの情報交換などを進め、融資や企業の課題解決の面で相乗効果を発揮したい考え。再生可能エネルギー開発案件での協調なども視野に入れる。両行が協力することで取引先への投融資額の拡大も可能になるという。

 群馬銀は2020年12月に地銀連合「TSUBASA(つばさ)アライアンス」に参加し、昨年12月には第四北越銀行(新潟市)と連携協定を結んだ。つばさでは各種システムの共同利用を、第四北越銀とは支店の相互利用なども想定している。足利銀と包括的に協力するのは初めて。

 地銀は人口減少や長引く低金利など金融環境の変化から、生き残りに向けた統合や提携の動きが加速する。県内では東和銀行(前橋市)が20年10月、SBIホールディングス(東京都港区)との資本提携を発表した。

 全国でも、青森銀行(青森市)とみちのく銀行(同)が今年4月に、愛知銀行(名古屋市)と中京銀行(同)が同10月にそれぞれ経営統合することで合意。岩手銀行(盛岡市)と秋田銀行(秋田市)は昨年10月、包括業務提携の締結を発表している。

 足利銀を子会社に持つ足利ホールディングス(HD、宇都宮市)は16年に常陽銀行(水戸市)と経営統合し、金融グループ「めぶきフィナンシャルグループ(FG)」を発足させている。

群銀、足銀の両頭取一問一答 取引先支援で協力
 群馬銀行(深井彰彦頭取)と足利銀行(清水和幸頭取)が24日、連携協定の締結を発表した。桐生市の桐生商工会議所会館で会見した両頭取は、地域の産業活力維持のためにも、両毛地域を中心とした取引先支援で協力していくことを強調した。

 深井頭取 地域社会の持続的な発展のためには、地域金融機関が連携して多様な知見を取り入れ、迅速かつ適切にソリューションを提供する必要がある。両行の特性を生かして切磋琢磨(せっさたくま)し、顧客の事業を発展させたい。

 清水頭取 両行の経営資源を結集し、円滑な資金提供や本業支援などのコンサルティング業務を通じ、地域の産業活性化と課題解決に貢献したい。

 ―群銀は第四北越銀行(新潟市)とも提携している。違いは。

 深井頭取 足利銀との提携は、地域経済や企業の活性化のため両行の経営資源を結集し、お客さまにより良い提案をすることが目的だ。範囲は狭いが深い。第四北越銀との提携は範囲が広いが、マッチングなどを中心とする補完的なもので性格に違いがある。

 ―顧客のメリットは。

 清水頭取 情報や人材、ノウハウなど両行の経営資源が使える。新規事業や事業拡大ではリスクマネーが必要になるが、両行の協力により融資や劣後ローンなどで2倍の投融資ができる。両毛地域で両行は2千を超える法人と重複取引がある。メインバンクと準メインバンク、企業の3者がどのように事業を伸ばすかを一緒に考えることで、いろいろなことができる。

 深井頭取 販路拡大などでもメリットがある。厳しい状況にある顧客への支援でも2行の認識が統一されていれば、早く対応できる。

 ―どのように連携していくか。

 深井頭取 協調融資や自動車など柱をいくつか立てて担当窓口を決め、案件を出し合う。定期的、継続的にすることで成果を増やせる。

 清水頭取 支店長同士でできることを考えるボトムアップと、本部や関連会社が話し合ってできることを考えるトップダウンのアプローチがある。両方で、深みのある顧客への提案をしていきたい。