本年度のふるさと納税の寄付額(昨年12月末時点)で、千代田町が群馬県内35市町村の中で最多の16億3700万円に上っていることが分かった。2位の昭和村(8億8100万円)、3位の草津町(7億900万円)を大きく上回っている。直近5年間で4度1位となった草津町の持つ県内の年間最多額13億9500万円(2017年度)も既に更新。千代田町は地元にあるサントリービール(東京都港区)の工場が生産する商品を返礼品に取り入れながら「ビールの町」としてPRする戦略が奏功したとみている。

 同町はふるさと納税の開始当初から、同工場で生産される人気商品「ザ・プレミアム・モルツ」などを返礼品としてきた。ただ、19年度までは寄付金額が1億円に届かず、コロナ下の巣ごもり需要でビールなどの返礼品が注目されたとみられる20年度も2億7500万円ほどだった。

 同町は、アサヒビールの工場がある神奈川県南足柄市や茨城県守谷市が同じような返礼品を活用して20億円以上の寄付を集めていることに注目。手法によっては2市と同程度まで寄付額を伸ばせると分析し、昨年8月にPR戦略を練る中間業者を代えた。以降、「ビールの町・千代田」を前面に打ち出している。利用するポータルサイト数も2から9まで増やした。

 担当者は「従来はビールなどの返礼品の紹介を後回しにしていたが、『ビールの町』を軸に据えて町の魅力と共にPRするようにした。発想を転換してから風向きが変わった」と明かす。

 返礼品も、数カ月間にわたり継続して届く「定期便」にしたり、他の商品と交互に届けたりするなど工夫し、従来の80種類から130種類に増やした。寄付者の9割以上がサントリー商品を選ぶ中、ビールなどをきっかけに他の地場産品が選ばれるケースも出てきているという。

 年度途中ながら昨年度1年間の約6倍の寄付を集めている状況に同町は、ふるさと納税を通じて知名度が高まれば、拠点を町内に移す事業者も出てくる可能性があると期待している。

 同町は本年度のふるさと納税による寄付額が想定した5億円を大幅に上回っていることを受け、26日の町議会臨時会で、寄付による歳入額を13億円増額し、18億円とする本年度一般会計補正予算案を提出する。高橋純一町長は「ふるさと納税による歳入増は、町の財政基盤の強化につながる」とし、「町民にとって住みやすさを実感できる政策に使いたい」としている。

昨年度を36%上回る 全市町村 12月末で65億円

 本年度の県内35市町村へのふるさと納税の寄付額は、昨年12月末時点で計65億800万円に上る。昨年度1年間の実績(47億7400万円)を既に36%上回っている。

 千代田町に次いで寄付額が多い昭和村も昨年度の実績を既に突破している。村内にあるキヤノン電子の工場が製造する製品を返礼品とするケースが多いという。

 村総務課は多額の寄付について「これだけ多くの金額を寄付してもらうのは本当にありがたい。村のPRになるし、返礼品の生産者のモチベーションにもつながっている」としている。

 昨年度は昭和村の7億6200万円がトップ。以下、草津町7億100万円、榛東村4億5600万円など。

先駆的事業交付金 群馬県は18件7億円 本年度

 地域活性化に取り組む自治体を支援する地方創生推進交付金について、先駆的な事業などを対象とする種類での県事業の本年度採択は18件、計6億9900万円だったことが分かった。採択額は47都道府県別で17番目。一方、県内市町村事業での本年度採択は16市町村の35件、計2億8700万円と、採択額は都道府県別で37番目だった。

 県は本年度新たに配置した県と市町村とのパイプ役となる地域支援員を通じてサポートするなど、市町村事業での採択の増加を目指している。

 同交付金は内閣府が2016年度予算から創設。地方版総合戦略に基づく、自治体の先導的な事業について交付している。県内ではこれまで、県産農畜産物の海外販路開拓事業や路線バスの自動運転実用化に向けた事業などが採択されている。