新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染が乳幼児にも急速に広がっているのを受け、群馬県太田市は市内の公立私立の保育所、こども園、幼稚園全64カ所の保護者に、登園自粛を呼び掛けている。自粛期間は24日から、「まん延防止等重点措置」の適用最終日となる2月13日まで。園内で感染が広がれば保育が崩壊する恐れがあり、最悪の状況を避けるため先手を打った形だ。自粛する保護者は仕事の都合を付けて子どもの面倒を見るなどして対応するが、戸惑いもある。

■やりくり

 共働きをしている市内の会社員の男性(43)は25日、長女(6)の保育園登園を自粛し、市内のぐんまこどもの国で遊ばせた。「私はシフト制の仕事で、昼間の時間を調整できる。体力的にはきついが何とかやりくりするしかない。コロナが早く落ち着き、4月からは新1年生として小学校に通えるようになってほしい」と願った。

 市内の自営業の女性(40)は長女(6)の幼稚園登園をやめた。「自営業だから融通が利くが、パートの仕事を休めず登園させる人もいる」という。小学3年の長男が通う学校では学級閉鎖のクラスがあるといい、「危機が目の前に迫っているが、学習が遅れるのも心配。できれば登校させたい」と本音をのぞかせた。

 保育園児の長男(5)を育てる市内の写真家の女性(38)は「登園させず、仕事を休めば稼ぎが減る。自粛に全面的に協力するのは難しい」と打ち明けた。

■急な通知

 市が登園自粛を要請する通知を出したのは21日午後。市内のある保育園では自粛要請初日の24日、約4割が登園しなかったという。園長は「もともと2割程度が体調不良や感染の広がりを心配し、自主的に登園を見合わせていた。市からの急な通知に戸惑ったが、必要な判断だと思う」と話した。園児の7割近くが休んでいる園もある。

 市こども課は登園自粛について「園児や保育士の感染を防ぎ、保育機能を維持する必要がある。一定程度の効果があるはず」と期待する。

■原則と実情

 厚生労働省はコロナでまん延防止等重点措置などが適用されても、保育所の「原則開所」を求めている。休園すれば子どもの預け先がなくなった親が働けなくなり、経済活動に響くからだ。県私学・子育て支援課は「登園自粛の判断は感染の実情を踏まえ、市町村で決めることになる」とする。

 同課によると、クラスター(感染者集団)の発生などで休園している県内の保育園やこども園は25日現在で12カ所。太田市内のあるこども園の園長は「働く親を支えるために子どもを預かりたいが、いつ感染が出るか分からない」と不安を募らせた。

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