▼優れた画才を持ちながら17歳の若さで急逝した山田かまち(1960~77年)の作品を展示する高崎市山田かまち美術館(同市片岡町)。かまちの存在を20年以上発信してきた私設美術館を市が引き継ぎ、昨年4月にリニューアルオープンした施設だ

 ▼26日の開館1周年を間近に控え、塚越潤館長の案内で館内を見学すると、没後40年近くたっても色あせることのない絵画や詩が次々と目に飛び込んできた

 ▼水牛やゴリラを描いた幼少期の描写力にも驚かされるが、思春期の揺れ動く自身の内面を水彩画や詩にぶつけた鋭い感性に圧倒された

 ▼同美術館の来館者は昨年4月のオープンからことし3月末までで4832人。その来館者がかまちと心の中で対話するために設けられているのが、10畳ほどの「メッセージルーム」だ。テーブルの上に置かれた8冊のスケッチブックには「生きる力を、進む力をありがとう」「生と愛が強く伝わりました」といった熱い思いがつづられていた

 ▼物があふれる一方で、空虚感が広がっているとされる現代。塚越館長は「悩みや怒りを素直に芸術にぶつけるかまちの姿にあらためて多くの人が共感している」と指摘する

 ▼〈虹のように消えてゆくきょうも 午前0時で明日につながっている。〉。たった2行のかまちの詩が明日へのほのかな希望を感じさせてくれる。