▼富岡市立美術博物館で開かれている「今どきアート」展を鑑賞した。若手作家の作品が多いが、斬新な表現で不思議な力を感じた

 ▼会場には魚と一体化した少女を描いた絵、小さな丸いシールを貼り付けて夜景を表現した作品、キューブを積み重ねたオブジェなど約170点が並ぶ。すべて富岡市の美術コレクター、飯野光夫さんのコレクションだ

 ▼飯野さんは約10年前、高崎市出身の日本画家、町田久美さんの作品に出合ったことがきっかけで、若手作家の作品を中心に収集を始めた。現在、コレクションは約600点に上る

 ▼「直感的に選ぶことが多い。ためらっているうちに売れてしまうことがあるので、気に入った作品は迷わず購入している」。過日、同美術館で開かれた説明会で飯野さんはこう話したが、購入後に注目され、大きく羽ばたいた作家もいるという

 ▼飯野さんが収集しているような現代美術作品は個性的で、違和感を覚える人がいるかもしれない。だが、そうした作品を購入したり、展覧会を開いて多くの人に見てもらうことで、作家は育ち芸術文化の厚みが増すことになる

 ▼豊かな文化をつくるのは、芸術家だけではない。作品を購入する人、新しい表現を評価する人、そして作品を鑑賞する人。いろいろな人の力が重なり合ってつくられる。展覧会を見てあらためて思った。