▼大きくて風格ある姿。離れた場所からも、枝の広がりで目指す樹木と分かった。前橋市小屋原町の桃ノ木川河川敷に自生しているアカメヤナギだ

 ▼幹回りは、環境省の巨樹・巨木林データベースに登録された同種の樹木のなかで最大のおよそ11メートルに及ぶことが市民の測定で分かったという(8月10日付本紙)。心が浮き立つ情報に誘われ、足を運んだ

 ▼近づくと、その存在感に圧倒された。樹高9メートル、枝張り26メートル。大きさや樹形の美しさだけではない、見る者を強く引きつける何かがこの木にはある。強い日差しのなか、木陰に入ると、別世界に入り込んだような涼しい空気になり安らいだ

 ▼20年余り前、本県で開かれた全国植樹祭の取材で巨樹の魅力を知って以来、国や県、市町村指定天然記念物からまったく知られていない古木まで、直接太い幹に手を触れ“対話”することを楽しみにしてきた

 ▼そこで実感するのは、とてつもなく長い歳月を生き抜きながら、都市化など環境の変化により樹勢が衰え、枯死する木々がこれまで以上に増えていることだ。地域のシンボルとして親しまれてきた国指定の貴重な遺産までもが危機にひんしている

 ▼そんな事態だからこそ、生存を脅かすさまざまな災難を乗り切り、ひっそりと葉を茂らせるアカメヤナギの生命力に、一層、深い感銘を受けるのだろう。