▼北京五輪はきょう開会式を迎える。大会スローガンは「未来に向かって一緒に」。コロナ禍に直面する世界が、より良い明日のために協力し合う必要性を表している

 ▼昨夏の東京大会は「感動で、私たちは一つになる」を掲げた。国籍、人種、性別、障害を超えたパフォーマンスに世界中の人々が胸を熱くし、多様性への関心と理解が深まる契機になった。北京にも引き継がれ、さらに広がってほしい

 ▼前橋、高崎などで撮影された映画「フタリノセカイ」が11日まで、シネマテークたかさきで上映されている。心と体の性が一致しないトランスジェンダーの青年のラブストーリーで、前橋市出身の飯塚花笑(かしょう)さん(31)が脚本・監督を手掛けた

 ▼トランスジェンダーとしての自身の体験から発想を膨らませたという。さまざまな愛や未来の形があることを示し、希望の持てる作品となっている

 ▼大学卒業後に同館でアルバイトをしていた飯塚さん。その劇場で商業映画デビュー作を上映したことに特別な感慨があったようだ。舞台あいさつで「ここから映画人生が始まったが、戻って来られて良かった」と話した

 ▼地元バンド「秀吉」がエンディング曲を担当。映画の街から羽ばたいた飯塚さんの「群馬を盛り上げたい」との思いが詰まった作品でもある。12日からは前橋シネマハウスで上映される。その情熱と共に感動や理解が広がることを願っている。