群馬県の産業の競争力向上に向けて、県は4日に内示した2022年度一般会計当初予算案に、観光と自動車産業の振興を図る事業費を計上した。観光関連では、日常生活から離れて心と体を癒やす「リトリート(隠れ家)」の聖地を目指すための事業費2億7700万円を確保。電気自動車(EV)など次世代モビリティー(乗り物)産業への参入支援には3800万円を盛り込んだ。

 「リトリートの聖地」を目指す事業では、温泉地に恵まれた群馬県を長期滞在型の観光地として売り出し、付加価値の高い食や体験を通じて旅行者に疲れを癒やしてもらうことを目指す。そのために必要な設備などを、地域の関係者らに一体となって検討してもらい、県がハード・ソフトの両面から支援する。事業費の半額を上限1億円まで補助する。

 目玉の観光資源である温泉については、泉質の科学的な分析を通じてアピールポイントを検討。専門家の助言を参考にデータを使ったPRを強化する。

 県内の温泉地2カ所では、有機栽培の野菜など健康や環境に配慮した農畜産物、加工品を 販売するマルシェを開催する。ヨガのイベントを同時に開くほか、農畜産物を宿泊施設でも 提供してもらえるよう働き掛ける。

 新型コロナウイルス収束後のインバウンド(訪日外国人)需要を取り込むため、在日外国人の意見を取り入れたリトリートの旅行を企画する。モニターツアーで外国人の意見を聞き、観光資源の磨き上げに役立てる。体験活動を提供する事業者には専門家を派遣し、外国人受けする内容や見せ方も助言する。

 外国人対応の基準を満たす県の「グンマ エクセレンス施設」に登録されている宿泊・観光施設には、専門家を派遣して外国人がストレスなくで滞在できるよう態勢を整えてもらう。近年充実させている英語や中国語、タイ語の県の観光情報サイトを使って、こうした施設情報も発信する。

 同日の記者会見で山本一太知事は「群馬に行ったら元気になれるというイメージを定着させたい」と事業の目的を説明。「ソフトとハードの整備に複数年度で予算を付けて仕組みと施設をつくり、民間投資も呼び込んで、大きな流れにしたい」と意気込んだ。

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