群馬県内在住の無国籍者を巡り、県と出入国在留管理庁(入管庁)の統計に3倍以上の開きがあることが分かった。2020年末時点で県統計は67人、入管庁の統計は21人だった。国は在留カード記載の国籍に基づいて集計するが、県の統計では国籍取得手続き前の新生児も対象に含めており、集計方法の違いが大きな差を生じさせている。

 県統計によると、県内の無国籍者は11年の23人が12年に53人と、2.3倍に増加した。以降は42~68人の間で推移し、直近5年間の平均は59.2人だった。12年末にかけて増えたのは同年7月の外国人登録法の廃止が理由だ。外国人が日本人と同様に住民基本台帳で管理され、それに伴い出生届での国籍の取り扱いが厳格化。国籍取得手続き前の新生児が一時的に「無国籍」としてカウントされるようになった。

 県ぐんま暮らし・外国人活躍推進課によると、外国人新生児のうち、集計時点で手続きが間に合わなかった例が「無国籍」の数を押し上げているという。

 一方で、入管庁が半年ごとに公表する「在留外国人統計」の県内無国籍者は12年に13人、16年に16人などと推移。17年以降は21~28人の間に収まり、直近5年間の平均値は22.6人だった。同統計は在留カード記載の国籍をベースとしており、国籍取得前の新生児数が含まれる県統計との違いが生じている。

 入管庁の担当者は同統計上の無国籍者のケースとして、「インドシナ、チベットといった難民の子らが無国籍の場合が考えられる。不法入国した母親の下に生まれ、出生手続きがなされずに無国籍になってしまったケースもある。日本など外国での出生手続きを認めていない国も一部ある」と説明している。

 無国籍問題を多く扱う小豆沢史絵弁護士(横浜市)は「統計の数が大きく違えば、問題の実態把握が一層困難になってしまう」と指摘。「どちらかの数字に合わせれば解決するわけではない。館林市周辺に住むロヒンギャなど統計上は国籍があっても無国籍状態というケースもあり、個別事情を踏まえた対応が必要だ」としている。

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