両毛地域での連携を発表した群馬銀と足利銀の支店が並ぶ=栃木県足利市内

 群馬銀行(前橋市元総社町)と足利銀行(宇都宮市桜)が1月下旬、営業エリアの重なる群馬、栃木両県にまたがる両毛地域での産業活性化を目指した連携協定を結んだ。同地域で2000超の重複取引があり競合する両行がパートナーシップを結んだことを受け、地元企業などは「融資や情報共有が充実する」と歓迎する。一方、「何が変わるのかよく分からない」という意見もあり、実効性に注目が集まる。

 「びっくりした。時代が変わったということでしょうか」。群馬銀OBでもある太田商工会議所の橋本文男専務理事は、長年のライバルが手を取ったことに驚きを隠さない。

 全国では国からの後押しもあり、地銀や信用金庫の統合や連携が加速している。群馬銀も2020年に地銀連合「TSUBASAアライアンス」に参加し、昨年12月には第四北越銀行(新潟市)とも連携協定を結んだ。

 太田市周辺はSUBARU(東京都)の完成車工場があり、自動車関連メーカーが集積する。橋本専務理事は「企業は現状の生産を維持しつつ、脱炭素や電気自動車(EV)の普及に対応するため、大きな投資をしなければいけない。資金調達や情報収集で両行からの支援があれば心強い」と歓迎する。

 各行と取引のある地元企業からは期待の声が上がる。桐生市の溶接加工業の男性社長(67)は「両行それぞれのカラーがある。企業の紹介も銀行を通してなら安心」と話す。栃木県足利市の自動車部品製造業の男性社長(45)は「現状は経営に問題がなく特に影響はない」としつつ、「仮に経営状態が悪くなった時、両行の広い情報を基に検討してくれるはず。その時に効果を実感できるのでは」と前向きだ。

 一方、冷静な受け止めも。桐生市のめっき加工業の60代役員は「正直どんなメリットがあるのかよく分からない。これから何か働き掛けがあるのだろうか」と首をかしげる。

 地元の金融機関はどう捉えたのか。桐生を中心に両毛地域を基盤とする桐生信用金庫(桐生市錦町)の津久井真澄理事長は「信金はいわば地域と運命共同体で、お客さまがあってこそ成り立つ商売。地域発展のために歓迎する」とする。

 同信金は群馬銀と20年に企業の合併・買収(M&A)で業務提携を結んでいる。提携をきっかけに職員が毎月情報共有をしており、その効果を実感する。「(金融機関も)協同しなければいけない時代になった。当信金が主催するビジネスマッチングに両行も参加してもらうなど連携できれば」と話した。

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