▼上毛かるた団体戦の競技規則に役札の規定がある。上毛三山に関する札「す」「も」「の」を3枚全て取ると10点、上毛五市の「お」「か」「め」「き」「け」を取ると20点が加算される。大会では役札をめぐり激しい攻防が繰り広げられる

 ▼上毛かるたを題材とした映画「おかめきけ」がイオンシネマ高崎、太田の2館で上映されている。かるたを通じて友情をはぐくんだ子どもたちがコロナ禍に翻弄(ほんろう)されながらもたくましく成長する姿を描いている

 ▼プロデューサーの阿野剛士さん(43)=藤岡市=はコロナ禍の中で明るい話題を提供しようと映画製作を決めた。オーディションには県民330人が集まった。脚本は当初かるたに焦点を当てたが、「映画が大変な時代を経験した証しになる」との考えからコロナ禍の要素を加えて書き直した

 ▼前橋の臨江閣や太田の金山、桐生が岡遊園地など県内各地で行った撮影は難航した。緊急事態宣言が発令されて遊園地が休園してしまうなど、2カ月の予定は大幅に延びた

 ▼出演する子どもたちが集中力を保てるか心配したが、杞憂(きゆう)だった。「意欲的に挑戦を続ける姿に励まされた」という

 ▼例年なら2月は地区代表が激突する県大会が行われるが、昨年に引き続き中止となった。コロナ禍が収束し、マスクを外せる日が来るのは一体いつになるのだろう。ウイルスに振り回される日々にやりきれなさを覚えた。