群馬大は22日、3月から医学部附属病院(前橋市)に県内初の「息切れ外来」を開設すると発表した。息切れには心不全や狭心症、心筋梗塞などの心疾患が潜んでいる場合があり、診断の遅れが病状の進行につながる恐れがあるという。こうした「隠れ心疾患」の早期の診断と適切な治療により病状の悪化を防ぎ、患者の回復と健康寿命の延伸を図りたいとしている。

 同病院循環器内科によると、全国的に心不全で入院した患者の4人に1人は、1年以内に死亡したり、再入院したりする。こうしたことから、予後はがんよりも悪いという見方もある。ただ、「息切れ程度で」といった捉え方から患者が医師に相談するのをためらうケースや、かかりつけ医が他院を紹介するのを控えるケースも少なくない。

 早期診断には、隠れ心疾患の特定が課題となるが、エコーや胸部エックス線、心電図など安静時に行う通常の検査では、息切れを伴うことが多い隠れ心疾患の異常を捉えにくいのが実情だ。

 新設する外来では、ペダルをこいで心臓に負荷をかけ、息切れが出ている状態でエコー検査を行う。息切れ時の心臓の動きや大きさ、圧力や弁の状態を観察できるため、心疾患を突き止めやすくなる。検査結果があいまいな場合はカテーテルを用いた検査も可能。この検査を実施できる医療機関は全国でも数少ないという。

 超高齢社会を迎え、心不全などの循環器疾患は、がんと並び健康上の問題となっている。全国の患者数の推計は、がんの約100万人(2021年)に対し、心不全は約120万人(20年)とみる研究もある。同病院は加齢による息切れを端緒に、心疾患を見逃さない診療体制を構築する。

 外来は木曜午前に開き、循環器内科の医師3人が担当する。紹介を基本とするが、初診でも対応する。

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