群馬県館林市と板倉町の法定合併協議会(法定協)について、両市町は25日、法定協の再開に向けた話し合いを重ねたが調整がつかず、休止を無期限で延長すると発表した。町が合併の条件として、学校給食費無料化といった現状の住民サービスを維持するよう求め、折り合わなかった。会見した多田善洋市長と栗原実町長は共に合併に前向きな姿勢を示したが、再開の条件については明言を避けた。

 多田市長は会見で、合併協議を進めるため、昨年6月から事務局での情報共有を重ね、同年末から栗原町長との話し合いを3回行ったと説明。市は少子高齢化の中、人口規模維持など合併によるスケールメリットを重視し、今年1月に法定協再開を求める要望書を町に提出した。しかし町は、協議休止の要因にもなった住民サービスの現状維持が条件だとして、受け入れなかった。

 町の求めるサービス維持について、多田市長は「現状では財源がなく、維持は難しい」とし、税収の増加など安定した財源確保の必要性を示した。一方、栗原町長は「譲れない部分で、この問題の解消なくして協議の再開はない。今のところ住民サービスを下げることは考えていない」と強調した。

 また新型コロナウイルス感染症対策などを優先し、再開に向けた調整が困難だったと説明。今後は期限を設けず、両市町を含めた広域連携も視野に、合併の可能性を探る。多田市長と栗原町長は共に「機が熟すまで(法定協は)開かない」とし、具体的な再開の条件は示さなかった。

 法定協は町の住民発議を受け、2016年6月に設置。14回の会合を重ねて新市の名称や本庁舎の位置などを決定したが、まちづくりの方向性での隔たりが解消されず19年1月におおむね3年間の休止を決めた。多田市長は昨年3月の市長選に合併推進を公約に掲げて出馬。合併に慎重だった当時の現職を破って初当選した経緯があり、休止期間が明ける今回の判断が注目されていた。