26日、ウクライナの首都キエフで、砲撃を受けたマンションの消火活動をする消防士(ロイター=共同)

 ロシア軍は26日、ウクライナ首都キエフ西側を封鎖しつつ、一部は首都中心部近くまで侵入、同国軍と戦闘した。首都南側では空挺(くうてい)部隊の投入を図り、攻勢を強めた。首都包囲と攻撃で圧力をかけ、北大西洋条約機構(NATO)加盟断念などの条件をのませて停戦を狙うロシアに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は独立を守ると表明。停戦交渉条件を巡りせめぎ合いが続いた。

 ロシアのプーチン大統領はゼレンスキー政権を退陣させ、親ロシア政権を樹立させたい考えとみられる。ゼレンスキー氏は26日、ビデオ声明で戦い続けると訴えた。

 米国と欧州連合(EU)などは25日、プーチン氏とラブロフ外相に制裁を科すと発表した。国家元首への制裁は異例。

 ウクライナメディアによると、ウクライナの保健相は26日、ロシアの攻撃で子どもを含むウクライナ人198人が死亡したと明らかにした。

 ウクライナ軍は26日、キエフの南約30キロのワシリキウで、ロシア軍空挺部隊の乗った航空機を撃墜したと発表。地上でも激戦が起きたという。ロシア軍の一部はキエフにあるウクライナ軍の基地や発電施設を攻撃。

 首都市街地では26日、高層住宅が被弾し複数階の部屋が崩壊した。けが人は確認されていない。

 キエフとベラルーシを結ぶ主要経路でも戦闘が続いた。ウクライナ軍は25日、キエフの北約130キロにあるチェルニヒウ周辺で、ロシア軍の戦車20両を撃破したと発表。ロシア軍は東部コノトプからも首都を狙う。

 ロシアは首都への圧力を強め、ウクライナの中立化と非武装化を条件に、隣国ベラルーシの首都ミンスクでの停戦交渉に持ち込みたい構えだ。

 ゼレンスキー氏は25日夜に公開した別の動画で「われわれは皆、独立を守るためにここにいる」と強調。停戦交渉は親ロ国ベラルーシではなく、NATO加盟国ポーランドの首都ワルシャワでの開催を主張している。

 タス通信によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は26日、ウクライナ側が交渉姿勢を見せたためロシアはいったん攻撃を停止したが、最終的に拒否され作戦を再開したと述べた。

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