26日、ウクライナの首都キエフで、焼けた軍用車両のそばを歩く同国軍兵士(AP=共同)

 ウクライナのゼレンスキー大統領は27日、ベラルーシとの国境でロシアと停戦交渉を行うと発表した。交渉に前提条件は付けないとした。ロシア側は、交渉はベラルーシ南東部ゴメリ州で行うとしている。ロシアのプーチン大統領は27日、ショイグ国防相らに対し「北大西洋条約機構(NATO)側から攻撃的な発言が行われている」と述べ、核抑止力部隊を高い警戒態勢に置くよう命じた。NATO側をけん制する狙いとみられる。

 ウクライナに侵攻したロシア軍は27日、首都キエフ西側に部隊を集結して封鎖を維持、攻防戦を続けてきた。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、ウクライナから36万8000人が避難したと表明。状況が悪化すれば、避難民は400万人に上る恐れもあるとしている。

 ウクライナ大統領府はロシア軍の燃料補給を狙った反撃やキエフ西側の部隊への砲撃で、ロシアの進軍がほぼ止まっていると説明した。ロシア部隊は27日、第2の都市、東部ハリコフにも侵入。一時市街戦になったが、ウクライナ側は撃退したとしている。

 ウクライナメディアによると、キエフ近郊のブチャでは27日、砲撃が続き、9階建てアパートが被弾。ハリコフでも26日、9階建てアパートが砲撃を受け、女性1人が死亡した。

 ギリシャ外務省によると、ウクライナ東部ドネツク州のマリウポリ郊外では26日、ロシア軍の空爆によりギリシャ人の民間人10人が死亡、子供を含む6人が負傷した。

 東部ドンバス地域ではロシアを後ろ盾とする親ロ派の部隊が数十キロ前進したもよう。南部では2014年に強制編入したクリミア半島から展開したロシア部隊が支配地を広げ、インタファクス通信によると、クリミアと本土を結ぶ運河に造られクリミアへの給水を阻んでいたダムを爆破した。

 ロシア国防省は26日、ウクライナ軍がキエフなどの大都市中心部に戦車を乗り入れて住民を「人間の盾」にし、ロシア軍の攻撃による民間人の犠牲を誘発していると批判した。