28日、停戦交渉に参加したロシア代表団(左側)とウクライナ代表団=ベラルーシ・ゴメリ州(タス=共同)

 【モスクワ共同】ロシアとウクライナの停戦交渉が28日、同国とベラルーシの国境付近で始まった。ウクライナのゼレンスキー大統領は即時停戦を求める立場だが、ロシアはウクライナの非武装化や北大西洋条約機構(NATO)加盟断念を要求。隔たりは大きく交渉は難航する可能性もある。ロシア国防省は28日、ウクライナ南部で制圧地域を広げたと発表した。

 英政府によると、ゼレンスキー氏は27日、ジョンソン英首相と電話会談し「今後24時間がウクライナにとって正念場になる」と強調した。

 ロシアのプーチン大統領は27日、NATOの攻撃的対応を理由に核兵器を運用する部隊を高い警戒態勢に置くようショイグ国防相らに命令。NATOをけん制する狙いとみられるが、米ホワイトハウスのサキ報道官が「さらなる侵略を正当化するために脅威をでっち上げている」と反発するなど、各国から非難を浴びた。

 AP通信などによると、ウクライナ内務省は27日、ロシア軍の侵攻による民間人の死者が子ども14人を含む計352人になったと発表した。負傷者は1684人。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は28日、50万人超がウクライナから隣国へ退避したと発表した。

 ウクライナメディアによると、内務省当局者は28日、同国第2の都市、東部ハリコフへのロシア軍の攻撃で数十人が死亡したと述べた。南部ザポロジエ州では停戦交渉合意後、飛行場がロシア軍の攻撃を受けたと州当局者が述べた。首都キエフ北方のチェルニヒウでは28日、ロシアの攻撃で幼稚園や5階建て住宅が被弾し火災が起きた。

 米国防総省は、ウクライナ周辺に集結したロシア軍の3分の2がウクライナに侵攻したと分析している。

 交渉場所を巡りロシアはベラルーシを提案したが、同国は今回のロシア軍侵攻の出撃拠点で、ウクライナが難色を示し国境で折り合った。代表団はロシア側にメジンスキー大統領補佐官、ウクライナ側にレズニコフ国防相が入っている。