【リビウ(ウクライナ西部)共同】ロシア軍は1日、ウクライナの首都キエフのテレビ塔を攻撃した。第2の都市、東部ハリコフでも2日、中心部の大学と警察庁舎がミサイル攻撃で損壊し炎上した。ロシアは主要インフラを標的にすることで圧力を強め、停戦交渉を有利に進める狙いとみられる。ウクライナ当局は2日、ロシアの攻撃でこれまで市民2千人以上が死亡したと発表。停戦交渉は2日夜(日本時間3日午前)に再開される可能性が出てきた。

 国際原子力機関(IAEA)は2日、ウクライナ最大のザポロジエ原発を管理下に置いたとロシアから連絡を受けたと発表。しかしウクライナメディアは、同国側が管理していると伝えた。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、ウクライナからの避難民が87万人以上に達したとし、「このままでは今世紀最悪の欧州難民危機になる」と訴えた。

 ハリコフ州知事は2日、過去24時間に少なくとも21人が死亡、112人が負傷したと述べた。

 2月28日に始まった停戦交渉について、ロシアのペスコフ大統領報道官は3月2日、同日の再開を見込んで同国代表団が交渉会場で待機すると述べた。タス通信によると、再交渉は2日夜(日本時間3日午前)に行われるとウクライナ大統領府当局者が地元テレビに述べた。ゼレンスキー大統領は、交渉の前に爆撃を止めるよう訴えている。

 キエフのクリチコ市長は、テレビ塔付近に2発のミサイルが撃ち込まれ、通行人ら5人が死亡したと説明。市民に外出を控えるよう促した。ロシア国防省はキエフにある「反ロシア宣伝の拠点」を攻撃すると予告し、周辺住民に避難を呼び掛けた。塔は倒壊を免れたが、テレビ関連施設やホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の追悼施設が損傷した。

 テレビ塔は1日に攻撃されたハリコフ州庁舎と同様、都市の象徴。こうした施設の破壊で住民をパニックに陥れる心理戦の側面もありそうだ。

 キエフ周辺でロシア軍部隊は北西側に集結しているほか、北東約70キロの戦線でもウクライナ軍と対峙(たいじ)。キエフのクリチコ市長は2日、ロシア軍が「近づいている」と述べた。

 ロシア側は東部ドネツク州の港湾都市マリウポリを包囲し、ウクライナ側に軍の投降と住民避難を要求している。

 関連記事

  2~5、8、9、23面