アブラハム選手の生い立ちをまとめた漫画(JICA提供)

 南スーダンを知ってもらうとともに、国民の結束力の向上や平和につながるスポーツの力を感じてもらおうと、国際協力機構(JICA)が、東京五輪に向けて前橋市で約1年9カ月の長期合宿をした同国陸上競技選手団、グエム・アブラハム選手の生い立ちをまとめた漫画を制作した。JICAのホームページなどで無料公開している。

 初めて陸上競技と出合った高校時代、南スーダン代表に選ばれて来日するまでの経緯、大会本番に向けた同市内での合宿の様子などアブラハム選手の半生を紹介している。

 競技で結果を出し、周囲に喜ばれた経験から「僕の走りを国のために生かしたい」と陸上選手を意識するようになったこと、民族融和を図るために同国内で開催されたスポーツ全国大会「結束の日」出場を通して平和と国民の結束を体感したことなど、アブラハム選手の自国や平和への思いを感じ取れる。同国の現状や、同大会の詳細や開催意義なども伝えている。

 漫画家の大澄剛さんが作画を手掛け、JICAと漫画の粗筋を考えたり、アブラハム選手にインタビューしたりしながら制作した。JICAの担当者は「単なる勝ち負けだけではないスポーツが持つ力を、アブラハム選手の生き方を通して知ってもらえたらうれしい」と話している。

 漫画は全4話。日本語版と英語版がある。漫画はJICAのホームページから見られる。