勉強はつまらない。つらくて苦しい。大半の人はそう考えていることだろう。そういう私も、勉強を大好きかと問われれば、自信を持って「はい」とは言えない。それでも京都大に合格し、10年以上オンラインの学習塾を運営しているのは、勉強を「ちょっと楽しくするこつ」を知っているからだ。今回はそのうちのいくつかを紹介したい。

 一つ目は「人と競う」ことである。競争することが大きなモチベーションになることに気付いたのは、中学2年生の時だ。それまで、夏休みの課題は最終日にまとめてやっていたが、友人とどちらが早く終わらせられるかを競争したところ、最初の3日で全てを終わらせることができた。退屈な宿題も、競争していると考えると少し楽しく思えたのだ。

 二つ目は「習慣にする」こと。勉強は習慣になると、どんどん楽しくなってくる。目に見える成果が出てくるし、続いていること自体が快感だ。習慣にすることがそもそも難しい、と多くの人は思うだろうが、実はそうでもない。習慣づくりのこつは、「いつ、どこで、何をするか」を決めること、そして「小さなことから始める」ことだ。

 英単語を覚えたいなら、「毎日100個単語を覚える」という習慣は続かない。「晩ご飯を食べたら、リビングのソファで、英単語帳を1分音読する」といったふうに決めてみよう。慣れてくると、こうした勉強習慣をたくさんつくることができる。

 三つ目は「好きな音楽を聴きながら勉強する」ことだ。音楽を聴きながら勉強することは、勉強の効率を下げてしまうことが分かっている。音楽を聴かずに集中できるのであれば、それに越したことはない。しかし、勉強する気分になれずダラダラしてしまうよりは、音楽を聴きながらでも勉強に取り組んだ方が良いというのが、私の考えだ。

 私も気分が乗らない作業をするときは、ドラゴンボールの“熱い”曲を聴きながら作業し、調子が出てきたら曲を止めて作業に集中するようにしている。

 どれも簡単にできて効果のあるものばかりだ。勉強だけでなく、仕事やダイエットなど、さまざまなことに応用できる。ぜひ実践してみてほしい。自分なりの「楽しくするこつ」が見つかれば、なお良いだろう。

 努力が続かないと、「自分はなんて忍耐力がないんだ。怠け者なんだ」と考え、落ち込んでしまう人が多い。しかし、人間は元来、弱い生き物だ。私も例に漏れず、面倒くさがり屋で、怠惰な人間である。だからこそ私は、必要なのは「つらいことに耐える努力」ではなく、「行動を楽しいものに変える努力」だと考える。「楽しむ」ということは、あらゆることに通用する最強の方法だ。

 【略歴】百人一首競技かるたで2019年~21年の名人位。大学受験中心のオンライン個別指導塾「となりにコーチ」を経営。安中市出身。中央中等教育学校―京都大卒。