グンイチパンが運営するパーネデリシアまえばし店。小麦を使ったさまざまなパンが並ぶ=9日

 小麦価格の高騰は、群馬県内の関連業者にも暗い影を落としている。飲食店の中には既に商品の値上げを決めた店もあるが、コロナ禍で厳しい経営を迫られる中、客足への影響も懸念される値上げに踏み切れず、苦慮する店も多い。

 高崎市内のパスタ店が味を競う「キングオブパスタ」で今年度と昨年度の2連覇を含め、計3度の優勝経験がある「カーロ本店」(高崎市連雀町)。小板橋浩一代表は「仕入れ先から、生パスタのさらなる値上がりを告げられた」と打ち明ける。

 他の食材も値上がりしており、同店は今月中旬のメニュー値上げを決めた。小板橋代表は「パスタは高崎のソウルフード。本来ならば手頃な値段での提供を続けたいが、現状では難しい」と肩を落とす。

 コロナ感染者数も徐々に落ち着き観光客の増加が見込める中、水沢うどんを提供する大沢屋(渋川市伊香保町水沢)は、当面は値上げせずに乗り切る方針だ。担当者は「久しぶりに食べに来てくれたお客さんが、値上げしているとどう思うだろうか」と話す。一方で「世界情勢から、小麦価格はさらに上昇すると思う。その時点での価格を見極めて考えることになる」と話した。

 県内に8店展開するパン製造販売のグンイチパン(伊勢崎市除ケ町)は昨年の原料価格上昇を受け、1月に3~5%値上げしたばかり。小此木正博社長(60)は「原料価格が想定以上に上がってきた。状況次第だが、また値上げを考えなければならないのか」とため息をついた。

 米農務省によると、2021~22穀物年度の小麦輸出量はロシアが約3500万トンで世界1位、ウクライナも約2400万トンを見込む。両国を合わせた輸出量は世界全体の約3割。ロシアのウクライナ侵攻で両国からの輸出が停滞し、需給が逼迫ひっぱくする懸念が強まる。小麦価格は3日のシカゴ穀物市場で大幅上昇し、08年3月以来約14年ぶりの高値を付けた。