新型コロナウイルスワクチンの5~11歳への接種券の発送で、一斉発送や年齢集団別、希望者のみとするなど自治体によって対応が分かれたことが、群馬県内35市町村に対する上毛新聞の取材で分かった。国から自治体へのワクチン供給が段階的で、今月中の供給予定数が対象者の約2割とされていることなどが背景にある。自治体からは「早期接種希望者の割合が読めない」として接種体制の構築に苦慮する声が上がる。

 年齢別で段階的に発送するのは桐生、沼田、藤岡、みどり、片品、川場、昭和、みなかみの8市町村。広域で連携する利根沼田地域5市町村は、「マスクの装着が難しく感染リスクの高い低年齢から」との考えで5~7歳に先行発送し、8~11歳へは当面、希望者に発送する。桐生、みどり両市は医師会と協議して10~11、7~9、5~6の年齢集団別での発送を決定。藤岡は学年ごとに年齢の高い順に発送することとした。

 中之条、長野原、嬬恋、草津、高山、東吾妻、板倉の7町村は事前調査を経て、希望者に発送する形式。板倉町は「接種について理解した上で行ってもらうため」、リスクを含めた情報の周知に重点を置く。中之条町や高山村は5~11歳への接種が努力義務ではないため、一般接種とは異なる対応を取ったとした。

 残る20市町村は一斉発送で、「希望者が早く接種できる体制を構築する」(富岡市)、「接種機会を平等にする」(榛東村)といった理由が目立った。このうち前橋など9市町は早期の接種希望者が多い場合でも、供給数に合わせた予約枠を設定して調整するとした。

 一方、国からの供給予定を受けて苦慮する声も上がる。沼田市は「早期接種希望者の割合が読めず、個別接種に加えて集団接種の補てんが必要か調整に苦慮している」とし、嬬恋村も接種体制の構築に悩む。桐生市は「当初は医療機関への配分に上限を設定せざるを得ない」、みどり市は「希望者への早期接種が困難なことが見込まれる」とした。

 35市町村の対応について上毛新聞は2月末を回答期限として調べ、9日までに回答を得た。

「一時的不足も」

 5~11歳へのワクチン接種の対象者は県内で約11万2千人。一方で、国からの小児用のファイザー製ワクチンは今月中に約2万2千人分と対象者の約2割にとどまり、4月中に約6万8千人分が追加される見込み。

 県は接種体制の構築を市町村に委ねているが、「ワクチンの一時的な不足は考えられる」(県ワクチン接種推進課)として、対象者が1回目の3週間後に行う2回目の接種を確実に受けられるよう、自治体に呼び掛けている。

 また、今月中旬以降に接種券を発送する一部自治体を除き、県内の多くで接種予約の受け付けが開始されている。高崎、伊勢崎両市などは接種を始めており、来週にかけて各市町村での接種が本格的に始まる見通し。