▼子どもの頃の土曜日は半日、学校の授業があった。帰宅後、筆者が楽しみにしていた昼食は袋入りの即席麺だった。働き出してからも大きな味方で、20年ほど前は5袋入りで200円を切る特売品を狙って買い求めたことを思い出す

 ▼たかさき絵本フェスティバルで紹介されたこともある長谷川義史さんの絵本に『ぼくがラーメンたべてるとき』がある。「ぼく」が食べているのも即席麺だろうか。その隣でネコのミケがあくびをしている場面から絵本は始まる

 ▼〈ミケがあくびしたとき…、となりのみっちゃんがチャンネルかえた〉と続き、さらに隣の家や隣の町の子どもたちがトイレに行ったり、楽器を弾いたり、野球をしたり、料理をしたり…。描かれるのは明るい日常だ

 ▼舞台は隣の国、さらに隣の国、その向こうの国に移る。そこでは子どもたちが赤ちゃんをおんぶし、水をくみ、牛を引き、パンを売る。最後の国は倒壊した建物が見える。〈そのまたやまのむこうのくにでおとこのこがたおれていた〉

 ▼ロシアによるウクライナ侵攻が続く。産科小児科病院も爆撃され、子どもを含む多数の民間人に死傷者が出たとの報道もある

 ▼ウクライナは世界有数の小麦産地。日本の輸入量は少ないが、価格高騰が懸念され、即席麺の値上げも相次ぐ。決して遠くの出来事ではなく、ラーメンを食べる「ぼく」から続く隣で起きていることと意識したい。