一般公開を始めた「糸整理室」

 世界文化遺産の富岡製糸場を管理運営する群馬県富岡市は15日、生糸を出荷するための仕上げ作業をしていた「糸整理室」の一般公開を始めたと発表した。生糸作りの最終段階を見学できるようにすることで、製糸場が担った仕事の順序や全体像を把握しやすくする狙い。

 市によると、糸整理室は1919(大正8)年に製糸場内に建設された「揚返あげかえし工場」の東端にある。延べ床面積188平方メートル。2~3人の女性従業員が出荷に向けて生糸の束をまとめ、包装していたという。市が整備した透明なアクリル板越しに、室内にある出荷用段ボールを運ぶローラー、作業机などを見学できる。

 市は2025年度中の一般公開を目指し、生糸作りの最初の工程を担う「乾燥場・繭扱まゆあつかい場」の整備も進めている。完了すれば今回の糸整理室と合わせて生糸作りの最初と最後が見学できるため、「製糸場の仕事を総合的に理解してもらいたい」と話している。

 一方、市は製糸場の煙突修繕に向けた寄付募集(目標8千万円)に対し、県内外の会社や個人から4700万円を超える支援があり、新年度以降は修繕のための調査に入ることも明らかにした。このうち約1300万円を占める個人向けクラウドファンディングの募集は18日に締め切るが、法人などからの寄付は引き続き受け付ける。