停電の中、懐中電灯を片手に冷蔵ショーケースに並ぶ飲料品を整頓する男性店員=17日午前0時50分ごろ、高崎市京目町のコンビニエンスストア

 群馬県で最大震度4を観測した16日深夜の地震。県内に8万軒以上の停電が起きたのは、電力需給のバランスを保ってシステムを守る装置が作動したためとみられる。信号機が消えたほか、エレベーターに閉じ込められるなど生活にさまざまな支障が出た。揺れによって東毛地域で塀などが壊れる被害も確認された。

 東京電力パワーグリッド群馬総支社によると、地震で発電設備が停止し、急減した供給力に合うよう送電網から需要者を切り離す装置が働いた。需給のバランスが崩れると、より大きな停電の恐れがあった。設備に故障や破損はなかった。

 県警によると、停電に伴い高崎、桐生、太田各市を中心に交差点など54カ所で信号機が消えた。幹線道路などは警察官が駆けつけて対処し、17日午前1時45分ごろまでに復旧した。

 閉じ込められた人も。高崎市等広域消防局は同日午前0時15分ごろ、119番通報を受け、同市京目町のホテルの停止したエレベーターから約30分後に20代女性を救出した。

 同市島野町のコンビニ店は停電中も営業した。食料を買った20代男性会社員は自宅のIH調理器や風呂が使えなくなり、「車中で一晩過ごすことになるかも」と困り顔だった。

 県によると、県内の冷蔵・冷凍庫に保管されている新型コロナウイルスワクチンに同日夕時点で停電の影響はないという。

 地震で鉄道は一時運転を見合わせた。JR東日本によると、上越、北陸、東北の各新幹線は下り2本が運休、上下5本が最大約2時間遅れた。在来線は両毛線で上下5本が運休。高崎、上越、両毛、信越本の各線で上下13本が最大約3時間遅れた。上越線は17日の日中も地震に伴うトンネル点検のため水上以北の一部区間で上下8本が運休した。東武鉄道の県内各線にも遅れが生じた。

 このほか、邑楽町中野で民家のブロック塀の上部が幅約1.8メートルにわたって落ち、太田市市場町でも民家の屋根瓦が落ちた。中之条町と高山村は地震に伴うサーバーの不具合で公式ホームページが閲覧できなくなった。