道の駅おおたで野菜を販売するおおたガールズファームのメンバー

 農業に従事する女性グループの活動が群馬県内各地で広がっている。県の支援を受けて少なくとも7団体が活動中。同じ環境の仲間で交流を深めながら研修や情報共有を行っている。働きがいを見いだし、新たなビジネスの契機につなげる効果に加え、自宅と畑の往復で社会との関わりが希薄になりがちな生活の解消にも役立っているという。

 「何の料理にするのがおいしい?」「鍋にぴったりですよ」。太田市の「おおたガールズファーム」が昨年、市内で開いた農作物の販売会。メンバーが育てた野菜をPRし、来場客の質問に笑顔で応じていた。グループは5年ほど前、代表を務める窪田ゆかりさん(40)が若手女性の交流を目的に結成。定期的に販売会や研修会を開いている。

 窪田さんは専業農家の夫との結婚を機に就農した。当初は夫の指示で作業をこなすだけで「自発性がなかった」が、グループの活動を機にスーパーが扱わないような珍しい野菜を調べて生産、販売するようになったという。

 レストランのシェフに気に入ってもらい、納品するなど販路拡大にも貢献。窪田さんは「グループは同世代と悩みを打ち明け合える息抜きの居場所。仕事にも良い影響がある」と話す。

 富岡市の「絹女きぬじょ」に所属する山口聖子さん(53)は、グループの研修でプロから写真共有アプリ「インスタグラム」向けの撮影方法などを学んだ。2年前から自営のバラ園の魅力発信にアプリを活用。バラを使った趣味のフラワーアレンジメントの画像や、おしゃれな花の見せ方などを投稿してファンを増やしている。

 桐生、みどり両市を中心に活動する「カラーズ」は桐生市内のカフェに定期的に野菜を納めている。規格外トマトや空いている畑で育てた野菜を納品している赤石洋子代表(39)はグループの活動を「売り上げにつながるし、家族も応援してくれている」と強調する。

 農林水産省によると、農業を主な仕事とする「基幹的農業従事者」は全国で約130万2千人(昨年2月時点)で、うち女性は約4割の51万2千人。その半面、県の担当者は「農業界は女性が表に出てくる機会が少ない」と指摘する。実際、農業団体の部会などの出席者は男性が中心。窪田さんは「女性がいると浮いてしまう」と打ち明ける。

 県はこうしたグループ活動が女性の活躍の場を広げることにも期待。家業を休んで参加することにためらう女性もいるため、仕事の一環と認識される環境づくりを目指す。「農家の女性が自由に挑戦できる機会をつくるため、支援していきたい」としている。